いつものように六人集まる。 「今日何するん?」 ハワードがセイレンに話しかける。 セイレンがリーダーだからだ。 だが、その様子を見ていたカトリがポツリと呟く。 「楽しそうだね…ハワード君…」 「ほえ?」 ボソリと呟いたのが聞こえたのかいつもの笑顔で振り返る。 グロ話? ヤンデレカトリ 何かを探すように歩き回るカトリーヌ。 セシルが彼女の様子に気付いて微笑みかけた。 「何か探し物?」 頬を赤らめながら慌てるカトリ。 「え…えと…ハワード君どこだろ?///」 「ハワードならマーガレッタに料理を教えてますよ」 カトリの表情に暗い影が浮かぶ。 そっと台所を覗きに行ってみた。 「わぁ…ハワードの料理美味しいですわ〜;」 「マガレのは調味料とか入れすぎるから控えめにするといいやで」 一生懸命にハワードの作ったお菓子を食べるマーガレッタ。 「うむぅ〜…甘さとかはこうですわね!さっぱり加減はこぅ…難しいですわ〜;」 とても楽しそうにお菓子作りをしている二人。 「……………」 壁に触れている手に力が入る。 「カトリ、何か用ですの?」 カトリーヌの部屋に呼ばれたマーガレッタ。 にこにこと笑顔を作ってるが無言のカトリーヌ。 マーガレッタを部屋の真ん中まで行かせてドアの鍵を閉める。 「お菓子作り…楽しかった?」 振り返り、笑顔でマガレに訊くカトリ。 「あぁ〜…あれですわね、もぅ!ハワードったらとても上手なんですわよ〜! わたくし、ハワードの料理沢山食べて研究してるんですがなかなかあの味になりませんわ〜…どうしたら…あがっ!?」 マガレの口に手をつっこむカトリ。 「悪い舌だね、ハワード君の料理沢山食べるなんて…ハワード君を独り占めしちゃ駄目なんだよ、だよ」 ぶちっと引きちぎれる音が部屋に響いた。 「あがああああああああああああああああああああ!?」 「どうしたの?いつものお上品なマーガレッタらしくない声だね…」 舌を引き抜かれて口の中を血だらけにしながらうずくまるマーガレッタ。 「ひぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーあがががぁ…」 「うるさい!」 不愉快そうにマガレの口に鉄の棒を押し込めた。 「ハワード君はあたしのものだから…ね」 見下すようにマガレを見下ろすカトリ。 「今、独り占めしてるのはあなたじゃないかって思ったよね?…よね?」 もちろんそんな事思う余裕は今のマガレには無かった。 むかっとした表情でカトリはマガレの手を踏み潰す。 「あんたに言われる筋合い無いんだよっ、この雌鰤がぁ!」 魔法力増加したユピテルサンダーでマガレの息の根を止めた。 「ハワード君〜」 嬉しげにハワードの所に走っていくカトリ。 その表情が凍りつく。 なんとハワードの横にはエレメス。 しかもエレメスはハワードの肩に手を置いていた。 「……………」 その光景を見、カトリの心にどす黒いのが湧き上がった。 「カトリーヌ殿、何か用ですか?」 いつものキモさわやかな様子でカトリの部屋に入るエレメス。 「うん、ちょっと試したい事あったの…とりあえず部屋の奥までどうぞ」 笑みを浮かべながらドアの鍵を閉める。 「ちょっとそこに座っててよ」 ふと見るとカトリの机の上に中身の見えない容器が置かれていた。 蓋もしっかりと閉められている。 「あのさ……お前ハワード君に馴れ馴れしいんだよ!このホモ野郎」 そう怒鳴り、エレメスに飛び掛って口の中にその容器の中身を注ぎ込んだ。 「これはね、研究所にあった『他のものと混ぜてはいけない』って薬品にあんたの毒瓶を混ぜた物なんだよ 飲んだらどうなるだろうねぇ…あはははははははは!」 「〜〜!!っ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 マウントポジションをとられ、口と鼻を押さえつけられ声にならないうめきをあげているエレメス。 とうとうそれを飲み込んでしまった。 カトリが離れると慌てて吐き出そうとするがなかなかうまくいかない。 しばらくして、エレメスは異常に苦しみだす。 「ぅぐっ…がっ……ぉえっ…げぼっ…ぅ…ぇ…っ!」 がくがくと痙攣し、血の泡を口から溢れさせる。 間もなく白目を剥いたまま絶命した。 「やっぱりアサシンにも効く猛毒になるんだねぇ!あはははははは」 その死体を蹴りながらカトリは高らかに笑うのだった。 「それで見つけたレア高くてさ〜」 ハワードと楽しげに話すカトリ。 「あぁ、ここにいた…ハワード、ちょっといいかい?」 セイレンがハワードの手を引いて行ってしまった。 「……………」 睨むように二人が立ち去った後を見つめるカトリーヌ。 「時々頭痛くなるんだよね」 部屋に呼んだセイレンに笑いかけるカトリ。 「もう痛まないようにしてあげるよ…私が!」 カトリの手には片手で持てるサイズの電気ドリルが握られていた。 狂気の含んだ目にセイレンはその場から逃げようとする。 しかし足が凍らされていたのでその場に尻餅をついてしまう。 「カトリーヌ、どうしたんだ!馬鹿な真似はやめてくれ…」 「馬鹿な真似…?やめてあげてもいいよ、あんた達がハワード君を奪おうとしなきゃね!!」 セイレンの頭頂部に電源の入った電気ドリルを突きたてた。 頭蓋骨を砕く感触がカトリの手に感じられた。 「ぎぃゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ…!!」 生きたまま脳をかき回される痛みに気絶も出来ないまま絶叫するセイレン。 「あははは!私とハワード君の邪魔をする奴はみんな死ねぇ!あっははははははは!」 「あれ?マーガレッタとエレメスとセイレンは?」 きょとんとした顔でカトリに訊くハワード。 「……………」 三人の名前がハワードの口から出た事にカトリーヌの心に黒いものがわきあがった。 「どうして他の人の名前言うのかなぁ?…かなぁ?」 笑みを浮かべながら怒った口調で言うカトリーヌ。 突然の事に驚くハワード。 「カトリーヌ…どうしたん?」 「そうだよ!ハワード君は私の事だけ見てればいいの!」 少しずつハワードに歩み寄るカトリ。 「ハワード君は私の事好き?私はハワード君の事大好きだよ!」 すでにカトリは目の前にいる。 「酷いよね…みんな私のハワード君を奪おうとするんだよ」 そっとハワードの胸に手を置くカトリーヌ。 「カトリ…?どうしたの、今日の君変だよ!?」 ただならぬ様子にハワードも標準語に戻り、心配になる。 「まさか……カトリ、みんなを探してくるからここで待ってて!」 ハワードはカトリが心配だっただけだ。 皆がどうにかなったので、カトリーヌがショックを受けておかしくなったと思ったのだ。 走り出そうとするハワードの腕を掴んだ。 「どこいくの?」 ハワードの腕を掴んでる手に力がこもる。 「カトリ?ちょっと…?痛い、離して…」 不安げにカトリの方に振り返るハワード。 狂気の目で笑みを浮かべながらハワードを見つめるカトリーヌ。 その顔に背筋に寒気が走った。 「駄目だよ…ハワード君の行くところは私の側しかないんだよ…」 カトリの両手に魔法力増加の輝きが現れる。 「大丈夫、怖い事なんてないよ…ハワード君は何も考えずに私の側にいればいいから…」 「何…これ…?」 セシルは台所に捨てられてた『それ』を見て青ざめた。 多分マーガレッタと思われる黒こげ死体。 白目を剥きながら鼻や口から血を垂れ流して死んでいるエレメス。 かき混ぜられた脳みそをぶちまけさせて死んでるセイレン。 「私がいない間に何があったの?はっ…カトリとハワードは!?」 慌てて二人を探すセシル。 近いカトリーヌの部屋に駆け込んだ。 「カトリーヌ、あなたは無事なの!?…って……何なの…これは…?」 分厚い氷の塊の中で凍死しているハワードとその氷像に寄り添って微笑んでいるカトリーヌ。 「うふふ…あはははははっ、ずっと一緒だよハワード君…邪魔する人なんてもう誰もいないんだからね」 セシルはその異様な光景をただただ見ていることしか出来なかったのだった。 ヤンデレカトリ END