上を見上げれば空は見えず、代わりに空の青を覆い隠す木々。 その割に降り注ぐ木漏れ日は多く、何かしらの矛盾を感じさせる程明るいウンバラダンジョン。  「うぅぅぅぅぅ……」 何度も何度も枝分かれし、蛇行させられる長い道を女は一人歩いていた。  「ギルド狩りっていうから付いて来てあげたのにぃ」 時たまに怒りに拳を握り、不機嫌を隠そうともせずに。  「そりゃあ、ハエも蝶も持ってきてなかった私も悪いけどさ……」 かと思えばすぐさま肩を落とし情けない声を上げる。 表情をコロコロと変えながらも女は歩く。 女が歩く度に靡く深紅のマントはウィザードの証。 但し、それは普通のウィザードのそれよりも細工が繊細で美しい。 ウィザードの高位、ハイウィザードの証。  「あぁん、もう邪魔!」 樹上から襲い掛かってきたウンバラファイターをクァグマイアで翻弄し、フロストダイバで封じ、ユピテルサンダーで粉砕する。  「まだ転生前ほど詠唱早くないな……もぅ!!」 自分の力量の低さへの怒りと、自分を置いて先にニブルに向かった仲間への怒りをあちらこちらに発散させながら女ハイウィザードは進む。 もしこの時、女ハイウィザードがほんの少し怒りを抑え、冷静さを保っていられたならば、目の前のたった一つの異常に気付けたのかも知れない。 女ハイウィザードの少し前方の地面から不自然に突き出た幾本かの枝。根でも幹でも芽でもなく、それは枝だった。 気付かずにその枝を踏み付ける女ハイウィザード。 たった一つの異常は一瞬に女ハイウィザード襲い掛かる。  「ちょ、ちょちょちょ! 何よこれ!?」 地面から突き出た枝はそのまま一気に女ハイウィザードの足を地面に縛り付け動きを封じた。 パニックを起こし膝を突く女ハイウィザードの周囲の地面が不意に隆起し、割れ、太い幹が三本飛び出る。 女ハイウィザードが我を取り戻すよりも早く三本の幹はそれぞれ縦に割け、中に半ば裸の女性のような姿を見せる。  「っっ!! しまっ……ムグゥ!」 ようやく何事か察した女ハイウィザードの口に幹の中の女性……ドリアードの手が突っ込まれる。 足を縛り付けられ、魔法の詠唱を封じられ、女ハイウィザードは最早ジタバタと足掻くしか出来ない。 暴れる女ハイウィザードを取り巻く三体のドリアードは艶かしい笑みを浮かべながら女ハイウィザードを枝で包み、持ち上げ、森の奥へと誘う。 女ハイウィザードの目に映る風景はいままでに見たことも無いものだった。 ドリアードたちが進むにつれ、森の木々はより一層に鬱蒼と茂り、見たこともない程巨大な樹が所々にそびえている。 そんな樹々のうちの一本の根元に女ハイウィザードを抱えたドリアードたちは入っていく。 一瞬の暗闇。そして続く眩い光。 そこは樹の内部。どんな構造になっているのか、樹の中心は真っ直ぐ空まで空洞になっていて、空からの光がそのまま短い芝の並ぶ地面に降り注いで来る。  (これがドリアードの巣……って、ちょっと!!?) 女ハイウィザードが思うか早いか、ドリアードたちはすぐさま女ハイウィザードの衣服を破り始めた。 瞬く間に下着まで破り捨てられる女ハイウィザード。 深紅のマントや新調したばかりの下着に収められていた豊満な体がドリアードたちの手によって光照らす芝の上に横たえられる。 但し、枝で全身を縛られ、口には相変わらずドリアードの手が突っ込まれている。 ドリアードたちは女ハイウィザードを縛る場所を両手、両足、腰と最小限に抑え、幹から体を出して女ハイウィザードの体に群がった。  「ん! っぷぁ……な、止め……むぐぅ」 女ハイウィザードの口に手を入れているドリアードは手を引き抜くと同時に深い口付けをする。 ドリアードの唾液で濡れた舌が女ハイウィザードの口内を、舌を、緩やかに、また激しく貪る。 ドリアードの唾液は人間とは違い甘い。蜂蜜のそれとはまた違う奇妙な甘みと香りがすぐさま女ハイウィザードの性感をくすぐりだす。  「んぷっ。ふぁぁ、あぁ、あ、ひゃあああ!」 あっと言う間に潤い出した女ハイウィザードの秘部の突起をドリアードがチロリと舐めると、女ハイウィザードは嬌声を上げながら一度目の絶頂を迎えた。 構わずドリアードは続け、今度は舌をそのまま愛液に濡れる膣内に押し込み強引に愛液を舐め取る。  「ふぁ! ふぁぁ! ダメ、まだ、早ぃい!! きゃうぅぅ……」 手も足も自由の効かない女ハイウィザードは成す術も無く喘ぐ。 そうこうする間に三体のドリアードはそれぞれ違う部位を攻め始める。 一体は下半身を、一体は腹部と胸部を、そして最後の一体は顔を……。 全身がドリアードの唾液に濡れ、陽の光を艶かしく反射する。 乳房の下から乳首の先端までを舐め上げられる度に女ハイウィザードは嬌声を上げ、秘部の突起を甘噛みされる度に失禁する。 ドリアードたちが女ハイウィザードを犯し始めてから30分ほど経つ頃には、女ハイウィザードは自ら愛撫を求めるようになっていた。  「もっと、もっとぉぉ。ふあぁ、もっとキスしてぇ、もっと……んぅ」 もう女ハイウィザードを拘束していた枝は無く、三体と一人は獣のように乱れ狂う。  「え? そこ……は……ひぐぅぅぅぅ!!!」 下半身を攻めていたドリアードの指が弛緩した女ハイウィザードのアナルへと滑り込んだ。  「そこ、ダメ、だ、メェェェェェ!!」 拒否の声を上げながら幾度目かもわからない絶頂を繰り替えす女ハイウィザード。 体力の限界が近いのか、呼吸は乱れ、そのまま力なく地面に崩れるように倒れる。 そんな女ハイウィザードの姿を見下ろしながら、ドリアードはもう次の行動へと移っていた。 笑みは変わらず、ただ、三体のドリアードの幹から一本づつ太く先端の丸い枝が伸びる。 三本の枝はそれぞれがまるで打ち合わせをされていたかのように女ハイウィザードの各窪みへと当てがわれる。  「……ん、んぁ! ふぁぁぁああうっ!! あぅ!! あぅうっ! あん、あぅ!!」 いままでとはまた違う女ハイウィザードの嬌声が上がる。 口と膣とアナルに同時に捻じ込まれた枝が激しいピストンを繰り返す度に乱れ鳴く女ハイウィザード。  「……んぷはっ! もゅ……ダメっ! はぅ……はっうっうぅ……っ!! きゃうううぅぅぅ!!!」 そして、女ハイウィザードを最後の絶頂が襲う。 体力を使い果たした女ハイウィザードは四肢を地面に放り投げ、荒く息を吐く。 だが、ドリアードたちの笑みは消えず、女ハイウィザードから引き抜かれた枝はすぐさま形を変形させ始める。 パキパキと小気味悪い音を発しながら細く鋭く枝分かれする枝。 三本の枝は数十本にも別れ、最後の宴を執行する。  「ぅ……うぐっ……くっ……あぁぐっ!」 鋭い枝は次々に女ハイウィザードに殺到に、愛液に濡れ紅潮した肌に食い込み突き刺さる。 乳房を、乳首を、胸部付近だけで十数本。 脇腹、へそに数本突き刺さり女ハイウィザードが苦痛と嫌悪感に呻く。  「ぎゃぅ!! うぁ、ひぃ! ぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 秘部にはより多くの枝が襲う。枝が性感帯の突起を串刺し、太ももが大きく痙攣する。 その下の尿道口、膣、アナルともに何本もの枝が入り込み女ハイウィザードの全身が叫びと共に激しく跳ねる。 体内に入り込んだ枝は勢いを緩めることなく突き進み、内壁を破り、内臓を貫く。  「ぎゃ嗚呼ああああああああああああああああああああああああああああ……」 喉が破れ、最後には最早人間のものかどうかもわからない叫びが樹内をこだまする。 裂けた喉の血か、それとももっと奥、貫かれた内臓の血か、女ハイウィザードの口から大量の血液が溢れる。 ゴボゴボと醜い音を上げながらビクビクと痙攣する女ハイウィザード。 そして、残った十数本の枝が頭部、眼球目掛けて突き込まれる。 両眼球を突き破った枝はそのまま眼底を突き通り、小脳、大脳を狂ったように掻き回す。 断末魔の代わりに大きくビクンッと体を仰け反らせ、女ハイウィザードは生命活動を停止した。 ドリアードの笑みは最後まで消えることなく、残った肉塊を養分として吸い上げた。 豊満だった体はみるみるうちに干からびて裂け、裂け目から芝生が顔を覗かせる。 空から降る陽光と、女ハイウィザードだった死骸を経て、樹はまた静かに成長する。 おまけー  「ちょっと……ニブルでも行ってくるわ」  「お、また? まぁ確かにニブルは美味いけどねw」  「う、うん……ニブル美味しい……」  「その割にはお前、レベル上がらないけどな」  「あはは……じゃあ、行ってくるね」  「いてら〜」 ……その後、カプラ職員の元に再生した女ハイウィザードはドリアードの快楽が忘れられず、度々森の奥深くまで出掛けているという……。 (・∀・) 完 (・∀・)