アサシンダガー2 乾いた空気・・・風の音・・・照りつける太陽・・・ 何故か懐かしいと感じる・・・もう戻れない予感・・・ 「そんな怖い顔をしてどうしたんだ?」 兄が私に尋ねる 「だって・・・狼さんは怖いけど殺しちゃうのは可哀想だと思うの・・・」 普段笑顔の兄が私に真剣な視線を向けた。 「たしかに殺すのは酷い事かも知れない。でも俺はお前や父さん、母さんを護るっていう決意を持っている。 護るってことは相手を殺してでも大切な人を護るって決意が必要なんだ。」 兄は少し悲しそうな顔をして狼の亡骸を見た。 「少し威嚇したくらいで逃げてくれれば俺だって追いかけてまで殺したりはしない。 でも砂漠の狼ってのは凶暴でな・・・どちらかが死ぬまでは襲うことを止めないんだ。」 再び私のほうを向く。 「だから俺はためらい無く撃った。それでお前に酷い奴と思われても・・・お前や父さん達が生きていてくれれば 俺はそれで満足なんだ」 大切に思われてるうれしさと・・・遠くで聞こえる子犬のような鳴き声 私は複雑な気持ちになった。 「だから・・・俺はお前さえ生きていてくれれば・・・」 そういいながら兄の手がゆっくり私のスカートを・・・ってちょっと待って!なにこれ?! 「こらーーーーーっ!」 遠くから怒鳴り声が聞こえた。そこで私はようやく夢から覚めた。 うっすら目を開けると孤児院の男の子達が蜘蛛の子を散らすように森に逃げて行くのが見えた。 「セレス姉さん、何を無防備に寝てるんですか!」 後輩のアコライト・セピアが私に言い放つ。 「ん〜・・・今日いいお天気だし湖からマイナスイオンたっぷりだし〜・・・寝るしか無いよね?」 「別にお昼寝するなとは言いませんが・・・とりあえず服装直しませんか?」 そう言われて自分の状態を確認する。スカートが上に捲れあがって太もものあたりまで露出している。 「そういえばこの前は茶巾寿司にされてたわね〜・・・目が覚めても暗いからそのまま寝ちゃったわよ」 セピアは呆れたようにため息をついた。 「どうしてそうも無防備なんですか!子供のいたずらでもそのまま男の旅人にでも見つかったらどうなるか!」 木陰に足の生えた茶巾寿司なんか見つけたら・・・私なら逃げるかな〜気持ち悪いし。 「とにかくセレス姉さんはもう少し自分の身体を大切にして下さい!」 なんだか性に対して節操のない交際をしている人に向けるような言葉を言われてしまった・・・。 「しかしどこであんな旧世紀の女子校の遊びなんて覚えるのかしらねぇ?」 「・・・遊びじゃなくてイジメですよ・・・?アレ」 「そう?でも目隠し鬼ごっこみたいで・・・」 「自分の下半身どうなってるかわかってるんですか!」 「ああ、そろそろ晩御飯の準備しなくちゃね〜」 「はぁ・・・セレス姉さん明日から大丈夫かしら・・・」 そういえば明日からセピアはコモド方面に住んでる神父様のお手伝いにいくらしい 「強いていうなら朝起きられるかが不安ね〜・・・私寝だすと止まらないから」 「もういいです・・・。院長待ってますしご飯の準備に帰りましょう・・・。」 そうして森に逃げ込んだ子供達を呼びながら孤児院への帰路につく。 隣を歩くセピアの横顔を見て・・・なんだか言い知れぬ不安に襲われる 「ねぇ・・・セピア?明日からのお仕事って危ない仕事だっけ?」 「いいえ?確かに道中は少し危険な魔物もいますが仕事は教会のお手伝いだそうですよ?」 セピアはかわいい顔に似合わず戦闘型・殴りアコと言われるタイプでかなりレベルも高い。 「そういえばネリッサもそこに1週間前に派遣されてるわね・・・よほど忙しいのかしら」 「みたいですね〜・・・コモドでの油テロも多いらしいですし」 ・・・やっぱり何か不安を感じる・・・ 「気を・・・つけてね」 「その言葉そっくりそのままお返しします」 そんなきつい事を言われながら孤児院に戻った。 夕食を終えて部屋で読書をしているとセピアが私の部屋を訪れた。 「まだ起きてましたか。」 「ええ、お昼寝たっぷりしたしね〜。」 「あんなに熟睡してるなんて・・・いい夢でも見てたんですか?」 そう言われて思い出す・・・死んだ兄さんが・・・私に・・・ 「今日は死者を冒涜するような夢を見てしまったわね・・・」 「は?」 セピアの頭に?マークが浮かぶ 「それよりどうしたの?こんな時間に」 「ええ・・・院長から気になることを聞きまして・・・」 その話は今日の帰りに感じた私の不安をいっそう掻き立てた。 要はその教会に派遣されたアコライト達は誰一人戻って来てないという・・・ 「なので・・・もし要請が行く場合は私が手紙を付けます。無い場合は騎士団に連絡を・・・。」 「先に調査を依頼した方がいいんじゃないかしら・・・?」 「でも困っている人が多くて手が回ってないのが真実なら行かないといけませんし・・・それに」 セピアは拳を掲げた。 「危なければ、やっつけちゃいますから」 笑顔でそう続けた。私は少し安堵する。 「まぁ・・・気をつけてね。嫌な予感がするわ。」 「セレス姉さんの勘って当たるから怖いですね。」 そう言ってまた笑った。 「ではお邪魔しました。あまり夜更かしはお肌に悪いですよ。」 そう言ってセピアは部屋を出て行った。 ・・・夜の砂漠・・・むせかえるような血の匂い・・・ ・・・私は裸体に血だけを纏って・・・一匹の狼を見ていた・・・ ・・・違う・・・この子は人を殺したけど・・・私が拒絶しちゃ・・・いけない・・・ 「・・・セレスお姉ちゃん」 耳元でささやき声。私は目を覚ました。今日もお気に入りの木陰でお昼寝中だった。 目を開くと孤児院の女の子が涙目で立っていた。見れば膝に擦り傷がある。 「あら、どうしたの?転んだ?」 私はヒールで傷を癒すと少女の頭を優しくなでた。 「ありがとう、お姉ちゃん。あのね、お手紙届いてるの。」 そういって手紙を差し出す。3日前に派遣に行ったセピアからだった。 「あらま・・・やっぱり忙しいだけなのかしら」 手紙の内容は「忙しいので手を貸して下さい」という内容で、間違いなくセピアの字だった。 ・・・悪い勘なんて当たらない方がいいに決まってるわよね・・・。 翌日私はコモドの教会に向かった。 ・・・明らかに空気が暗い教会・・・ 花壇には熱帯特有の食虫植物やあやしげな色の花が咲いている。 「すみませ〜ん、友人からお手伝いを頼まれて来た者ですが〜」 声をかけると重い扉が開き、一人の女性プリ−ストが現れた。 「ああ、どうもわざわざすみません。この教会のローズと申します。」 ・・・胸がざわつく・・・血の匂いに・・・この人の視線 「・・・どうも、ゲフェンの教会から来ました。セレスティアと申します。」 中に入るとまた異様な光景だった。 うちの教会のように孤児が遊んでいる風景なんだけど・・・ 包帯を巻いた子に手や足の欠けた子供達。すでに自我が壊れたような子供達が無表情のまま義務のように 遊ぶフリをしてる・・・? 「とりあえず現状をご説明致しますので・・・どうぞこちらへ」 客間に通されお茶を出される。ローズと名乗ったプリ−ストは窓の外を見つめながら話し始めた。 「ここ最近・・・この地方に生息する凶暴なワニが生息数を増やしておりまして・・・」 たしかアノリアンとか言う上級モンスターだったかしら。私は会ったこと無い 「街から離れた場所に家を構える家族などが襲われることが多くて・・・」 ・・・あの子達のことの説明にはなるけど・・・子供だけが襲われて生き残ってるっていうのはどうかしら 「親が血まみれで子達を教会に託して・・・次々と・・・」 ・・・その割に教会内から血の匂いがするわけじゃない・・・この人からだけ・・・ 「あの・・・うちの教会から派遣された子達は?」 「今も一家族が襲われまして・・・治療に当たっています。」 ・・・そんな中で上級職の貴方は優雅にお茶入れてるのね・・・ 緊張で喉が渇いたのでカップに口をつけた。普通の紅茶に感じたが喉が少しピリっとした。 ここでようやくローズは私の方を向いた。 「この地方で取れる特別なお茶なんですが・・・お口に合いました?」 「少し癖がありますが慣れればおいしく楽しめそうです・・・」 「そう。栄養が高いので忙しいここでのお仕事には効果あるんですよ。」 そういって微笑む 「あの・・・魔物が増えてるなら騎士団に討伐を要請したりはしないんですか?」 「騎士団の方々でも手ごわい部類ですし・・・それに」 カチャン!と音を立ててカップが私の手から落ちる。体が痺れて・・・睡魔が・・・ 「私達の敵を増やしても仕方ありませんから」 ゆがんだ笑みを見ながら・・・私は・・・意識を失った・・・。 ・・・血の匂い・・・血まみれで倒れる両親・・・首の無い兄・・・知らない黒い服の人たちの死体・・・ ・・・私は生まれたままの姿で・・・血を纏って・・・ また・・・むせかえるような・・・血のにおい・・・ 「神父様、気付いたようです。」 ・・・手と首が痛い・・・どうも十字架に磔みたいな体勢みたい・・・手首に手錠のオマケ付き。 正面の椅子にローズが座ってる。手にはチェインを持ってる・・・ようね 部屋の様子を見渡す・・・見事なまでに拷問部屋。古城の監獄・・・じゃないわよね。 「おお、終わったら・・・挨拶・・・に」 息が荒い・・・声をした方を見ればおそらく神父であろう裸の中年が・・・ 片手に紐を持ちながら腰を動かしている・・・。 もう片手を置いているのは・・・ギロチン台・・・? 「うう・・・う〜・・・」 息苦しそうな女性の声・・・ギロチン台に固定されてる人の声のよう・・・でも その女性は太ももあたりから下の足が無かった。 視線に気付いたローズが聞いてもないのに答える。 「ああ、あの足?ああすると痛みで力むから・・・よく締まるんだそうよ」 さも愉快そうに言った。 「おおお、お〜・・・」 満足そうな声をあげて神父らしき男が身震いをする。 そして・・・手に持った紐を・・・手放し・・・ 刃が落ちる瞬間・・・ギロチン台の少女と目が合った・・・。 「ネリッサ?!」 ドサリと首が落ちた。 「ネリッサっ!ネリッサーっ!!」 ギロチン台の下にあるカゴから・・・彼女の自慢だった長く黒い髪が見えた。 「ああ、そういえば同じ教会だったわねぇ」 思い出したようにローズが口を開く。 「今晩の食事は決まったわね」 そういって舌を出した。 「昨日は足だけだったから物足りなかったろう」 裸の男がこちらに向かいながら言う。 「ええ、やはりおいしいのは女性なら胸や下腹部ですから。柔らかいですしね」 ・・・何を言ってるんだろう・・・思考が・・・麻痺しかかってるのかな 「おっと、ようこそいらっしゃいました。ここの神父メイソンです。」 やはり信じたくなかったが神父らしい・・・。 「この子はカニバリズム・・・まぁ人の肉が好きでね・・・」 私すでに死んでて今地獄なのかしら・・・ 「神父様が私にお肉を下さるので・・・私はここに来てから満たされてますわ。」 そういうとローズはメイソンという神父に頬を摺り寄せた。 「まぁ私はこの通り・・・若い子を犯し殺すのが好きでね。趣味の利害が一致して手元に置いておるんだよ。」 なんてことかしら・・・趣味の自慢して終わりってことは・・・ないでしょうね・・・。 「私も・・・殺す気なの・・・?」 震える声で尋ねてみる。 「この光景を見て・・・一緒に楽しめるなら友達になれるがね。」 「人を・・・辞める気はありません。」 震えながら・・・でもはっきり意思を伝えた。 「よかったぁ・・・貴方綺麗で・・・美味しそうなんだもの。」 ローズがこれ以上無いような醜悪な笑みで言った。 「おっと・・・でも順番があるからね。ローズ、連れて来てくれるかな?」 メイソンがそう言うとローズが隣の部屋に・・・そして 「セピアっ?!」 縛られたセピアが猿ぐつわを外され答える。 「セレス姉さん?!ごめんなさい!ネリッサを人質に取られて脅されて・・・っ!」 セピアは既に酷く痛めつけられたようだ。アコライトの制服が所々破れ血が滲んでいる。 「貴方は硬くて不味そうよね・・・。」 ローズがそんなことをつぶやく。 「まぁ彼女は来た日に散々暴れてくれてね・・・。ローズでも手を焼いたようだよ。」 「アレ見せたら大人しくなりましたがね。」 そう言ってギロチン台を指差した。 「いやぁっ!ネリッサっ?!ネリッサぁっ!!」 首の無いネリッサを見て・・・セピアは悲鳴を上げた。 「うるさいねぇ・・・この子は箱にでも押し込んでおこうか。」 「はい。私も喉が渇いてましたし。」 そういうとローズはセピアを・・・部屋の隅にある・・・ 「ああ、箱っていうのはアレ。アイアンメイデンと言ってね・・・まぁ見ればわかるかな。」 メイソンはそういいながらニヤニヤと視線をその箱に向けた。 箱の扉が開くと・・・中には一面の針が・・・ 「やめてっ!いやっ!!やぁっっ!!」 ローズは無常にセピアをその箱に押し込み・・・扉を閉めた。 「うあぁぁぁっ!あっ・・がっ!・・・あふっ!」 「やめてぇっ!!セピア・・・っ!!」 既に私の呼びかけに答えられる状態ではなかった・・・。 「一応急所は外す設計になってるよ。まぁ目とか敏感な部分には一通り刺さるけどね」 すぐにセピアは気を失ったらしく・・・箱の下には血の水溜りが出来ていた。 ローズはそれを床に這いつくばって舐めている。 「あ・・・ああ・・・・っ、なんて事を・・・っ!」 血を舐めるローズを愉快そうに眺めていたメイソンだが、それに気が済むとローズに呼びかける。 「ローズや、気が済んだら席を外してもらえるかな?私はこの子と楽しみたいんでな。」 ローズは口の周りを血で濡らしながら、コクリと頷くと部屋を出て行った。 「さて・・・君はどんな声で鳴いてくれるのかのぅ。」 そういうと私の身体に視線を這わせた・・・。私はまだ・・・セピアの入った「箱」を見つめ続けていた。 「どれ・・・まずは胸から。」 メイソンは私のケープを外し・・・腰の帯を外して・・・ボタンを一つずつ外す。 「ふむ・・・あまり大きくはないんだねぇ。少し残念だよ。」 そういって下着を捲し上げた。そのまま胸の敏感な部分を口に含む。 「ひゃんっ?!」 ここでようやく我に返って自分の状況に気付いた。 「やっ!やだっ!やめ・・・っ!」 「こんなに起たせておるじゃないか、気持ちいいんじゃろ?」 ひたすら気持ち悪い。身体中が蟲に這われてるような嫌悪感。 「気持ち悪いっ!触らないでっ!」 その言葉に気を悪くしたのかメイソンが私を睨んだ。 「メス犬は犬らしく尻尾を振っておればよいものを・・・。」 そういうとメイソンはポケットから・・・メスを取り出し・・・。 「ワシも喉が渇いてな」 そういうと私の乳首に・・・メスを突き刺した。 「くあっ!いっ・・・いた・・・っ!」 メスを抜くと血が流れ出る・・・メイソンはその胸に吸い付いた。 「あ・・・っくっ!う・・・っあぁ・・っ!」 傷口を舌で犯されている・・・そんな感じがした。 「やはり大きくないと吸い甲斐が無いもんじゃな。」 そう言ってようやく口を離した。 ・・・怖い・・・あの砂漠の夜に感じた死の予感・・・ ・・・私もここで弄ばれて・・・殺されて・・・家族の元に行くのかな・・・。 メイソンは腰を降ろし、メスで私のスカートを中心から切り裂く。 ・・・あの砂漠の時は・・・助けてもらったのに・・・あの子を傷つけて・・・ ・・・これが罰かな・・・ ショーツを下ろされ覗き込まれてる・・・。 「下の毛も薄くてよく見えそうだのぅ・・・どれ。」 片足を上げられてメイソンの肩に乗せられる。 敏感な部分に舌を這わせられ・・・やっぱりぞわぞわして気持ち悪かった。 「やはり若い娘のものは綺麗なもんじゃな。こっちはどうかの?」 「んくっ!い・・・った!あが・・・っ!」 お尻に指を無理矢理ねじ込まれてる・・・。焼かれているような痛みが走った。 「ち・・・全くダメじゃな・・・。」 そう言って指が抜かれ、少しだけ痛みから解放された。 お腹のあたりが冷たく感じると思ったら胸から流れた血がスカートに滲んでいた。 「まぁそれを無理に突っ込むのがたまらんわけじゃが・・・」 そういいながら私の片手の手錠を外して後ろを向かされる。 残った片手に体重がかかって痛い・・・。 「処女は後のお楽しみにして・・・先に後ろから頂くかの。」 そう言って・・・私のお尻に熱いものが押し当てられる。 「ん・・がっ!あぐ・・・っ!あっああぁ・・・・っ!」 さっきの数倍はあろうと思われるものが私を貫く。 「いやっ!や・・・っだ!いた・・・っ!抜いてぇぇっ!」 私の哀願の声も届かず・・・それは私をえぐり続けた。 「くぅっ!たまらんのぅ!」 焼けた鉄の棒を何度も突き刺される感覚・・・私は・・・もう何も考えられなくなってきていた。 セピア・・・大丈夫かな・・・ そんなことを考えていた。 「ほうれっ!いくぞ!」 「あ・・・っく!・・・っ!」 どれくらい続いたのか・・・私のお腹の中にに生温く気持ち悪いものが流し込まれて ようやくその拷問は終わった・・・。 メイソンは椅子で葉巻をふかしながら言う。 「一服終わればいよいよ女にしてやるからのぅ・・・楽しみに余韻に浸っておれ。」 ・・・お尻から溢れ出す生温いものがたまらなく気持ち悪かった・・・。 「おうおう・・・見るからにいかがわしい教会だな。」 教会の周囲を確認してアルフレッドは呟いた。 庭で毒草栽培のうえに・・・裏口からは沼に向かって何度も歩いた足跡が残っている。 (お楽しみの後、死体はワニのエサって感じだろうな。) とりあえず進入の手筈を考える。おそらく地下室か何かあるんだろうが・・・。 裏口の周りに人の気配は感じない。ピッキングで鍵を開けると堂々入ってクローキング。 (まぁ堂々とある地下室じゃあるまい) そう考えて隠し扉などの形跡を探す。裏口は台所と繋がっていたわけだが・・・。 あからさまに壁の擦り切れた場所があった。 (そのまんま死体を食ってんのか・・・?) 台所も血の匂いで溢れかえっている。とことん徹底した趣味じゃねぇか・・・。 壁を軽く叩くとすぐに扉が開いた。こんな辺境の犯罪者ってこんなもんなのかねぇ・・・。 隠し(?)通路を進むと扉の前に女プリが座っている。 ずいぶん濃い化粧だと思ったら口の周りのは血か・・・情報では無かった奴だが ・・・類は友を呼ぶってか・・・? 少し放心してるようだが「どいてください」って言えば流石に気付くだろう。 通気孔らしき場所から潜りこむ。 (なんかあっけなく終わりそうだな・・・後であのプリも殺っておくか・・・) 部屋の中の様子を窺う。向かって右がプリのいる扉・・・。 あの葉巻吹かしてるオッサンがターゲットだな・・・。右の奥のは死体のようだし・・・ こっからじゃ見えないが右の手前にも気配を感じる。虫の息っぽいが・・・。 左の奥にいるアコライトは・・・生きてるだろうが・・・犯された直後ってとこか。気の毒なこった。 ・・・このまま仕留めれば目撃者無しで殺れるが・・・うまく行くだろうか・・・。 目撃者は消すのが鉄則。できれば殺したくは・・・ (殺したいと思う自分を自覚したくないだけだろうな・・・) なんだかんだ言って殺すってのは気持ちいいもんだ。他人の命を終わらせる快感ってのはかなり気持ちいい。 (身寄り無い俺が誰に気を使って殺したいって開き直れないものなんだろうか) 男が何か喋っている。その隙に部屋に降りてクローキングで距離を縮める。 「なんで・・・人を殺したりするの・・・?」 「そりゃ殺す事に快楽を感じるからにきまっておるじゃろうが。」 アサシンか魔物にでもなりゃいいのに・・・。 「自分の・・・欲の為に、こんなことするの?」 「ああ、小娘どもが苦しみ死んでいく様を見るだけでワシの寿命は延びるわい。」 ベッドの上で喘ぐのを見るのは楽しいが・・・もったいねぇことするもんだ。 「決意も無く・・・楽しむ為に殺すなんて・・・私は許さないっ!」 ・・・決意・・・?決意を抱いて殺しをしたのは・・・最初の3人だけだったな。 「まぁ数日後にはたっぷり苦しませて殺してやるわい。それまで楽しませてもらおうかのう。」 「やっ!」 あーあ・・・こっち向かせちまった。これだと見られちまう・・・こいつも殺るしか・・・ ・・・? ・・・澄んだ瞳・・・夜の砂漠・・・星のささやくような声・・・ ・・・胸に滲んだ・・・血の・・・ 「ほーれ、今からお前を大人の女に・・・がっ?!」 私に向かってきた腕が・・・放物線を描き部屋の壁にぶつかった。 続けざまにメイソンの胸に・・・黒い刃が・・・生えた・・・? 「ぐが・・・っ?!」 私はメイソンの腕から吹き出した血しぶきに思わず目を閉じる。 身体中に浴びせられる生温い液体・・・やっぱり気持ち悪い。 メイソンは向き直りヒールを自分にかけて傷を塞ぐ。そのまま切り落とされた腕の元に走り 自分の腕を手に取った瞬間・・・メイソンの首が落ちた・・・。 扉を開いてローズが入って来る。ここでようやく私はメイソンを殺したのがアサシンと認識できた。 ローズはメイソンの死体に目を向けると 「私に食事を与えてくださる父をっ!」 と叫びながらチェインを手にとる。 アサシンはローズに向かうとチェインを振り上げる動きに合わせ・・・右の刃でローズの喉を貫いていた。 倒れこんだローズの脳天に左の刃を突き刺し・・・ローズは息絶えた・・・。 喉と首から短刀を抜くアサシンを私はずっと見つめていた・・・。 ・・・決意を秘めた瞳・・・夜の砂漠・・・黒い刃・・・ ・・・私・・・この人・・・知ってる・・・ ・・・あの時と同じように・・・晒した肌に血を纏って・・・ ・・・殺意が驚くほど消えている自分に気付く・・・殺すのが好きで・・・アサシンになったんじゃ・・・ 「アルフ・・・?アルフレッド・・・?」 少女の声・・・ああ・・・やっぱそうなのか・・・ 「セレス・・・セレスティアか・・・?」 また怯えた瞳で・・・俺を拒絶するんだろうか・・・無理もない・・・ 今まで殺しすぎた・・・気晴らしに仕事をした・・・何の気を晴らす為だったんだ・・・? ああ・・・私言わないと・・・決意をもって護って・・・人を殺したあの人に・・・ アルフが口を開く。 「目撃者は消すことになってる・・・。」 アサシン・・・一応プロなんだ・・・でも・・・私には・・・ あの時の怯えた子供に見える・・・。 だから私は彼の言葉を遮るように言った 「・・・ごめんなさい・・・あの時・・・私の為に戦ってくれたのに・・・殺してまで 護ってくれたのに・・・私はっ・・・あの時の貴方が怖かった。」 「・・・」 「でも・・・その後・・・人を殺したことに動揺してる貴方を見て・・・私の為に殺して・・・ 私を許してくれるかが怖かったのっ!・・・見つかったの私のせいだったし・・・」 「あのままだと二人共殺されてたさ・・・」 「だからっ!私の為に・・・私を護る決意を持ってくれた貴方をっ! 私は絶対に拒絶しないっ!」 「っ?!」 「貴方に救ってもらった命だからっ!殺されてもいいっ!貴方が嫌おうが殺そうとしようが・・・ 私は絶対に貴方を拒絶しようとしないっ!」 何かえらい美化されてるもんだ・・・だが・・・ 「俺は護る決意なんてカッコイイもん持ってなんかいない。あの時はただ・・・ あいつ等が憎くて・・・殺したくて・・・殺したら楽しかったんでアサシンしてるんだ。」 「違うでしょ・・・?私が拒絶して・・・殺した自分が怖くなって・・・それで殺しが楽しいって 自分に言い聞かせてたんじゃないの?」 「違う!あの時・・・俺は心から殺したいと思った!だから・・・」 「だから自分が怖くなったの?」 「っ?!」 「あの時のアルフは・・・怯えてたもの。自分に対しても・・・私に対しても・・・」 ・・・そうか・・・?そうなのかな・・・ 「殺すことが好きなら・・・早く私を殺せばいいでしょ?」 ・・・そんな気は全く起きない・・・ いや・・・こいつだけは護りたいと・・・思ったんだ・・・相手を殺してでも・・・。 もうセレスの目を見て話すことはできなくなっていた・・・。 俺が目をそらすとセレスは虫の息だったアコに駆け寄ってヒールを使っていた。 生きていると確認したあいつは・・・もう一度・・・。 「殺す事が好きなら・・・私を殺しなさい。」 そう言った・・・。 「できない・・・お前は俺にとって護るべき相手なんだ・・・だが・・・ 俺の手はすでに血で汚れすぎてる・・・。」 「今日ここまで私の為に・・・私のせいで流した血なら、私が貴方を許します。」 ・・・ああ・・・そうか・・・俺はずっと許してもらいたかったんだ・・・ 家族を護れなかったことも・・・殺してしまったことも・・・ たしかに殺したいと思う感情はある。でも・・・こいつといれば・・・ 「貴方が人を傷つけたくなる刃だというのなら・・・私が鞘になります。」 その日・・・俺は子供のように泣いた・・・。 3日後・・・俺はアサシンギルドに脱退届をだした。案外すんなりと受け入れられた。 親父の形見のアサシンダガーはギルドに寄付しようかと思ったが 「捨てればいいってものでもない。それも自分の姿だと受け入れて生きろ。」 と言われ結局持たされた。 そして・・・ 「よっく寝てるなぁ・・・こいつ。おーい!起きろセレス」 「ん〜・・・?誰・・・?」 「アルフレッド」 「あら?もうアコライトの資格取ったの?早いわねぇ・・・」 「早くお前もプリ−ストになれよ、モンクになって追いついちまうぞ?」 「私の道はきびしいのよ〜・・・」 「つーか会った時とキャラ変わりすぎじゃないか?」 「シリアスモードは疲れるのであと2週間ほどは・・・Zzzzz」 「ま、その方がお前らしくていいよ・・・。あの重症だった子は大丈夫か?」 「あ・・・うん。目の方はかなり傷が深いけど・・・命に別状は無いそうだから」 「そっか・・・今度は俺もヒール使えるようになって・・・みんなを護れるようになりたい。」 「それでモンクなの・・・?」 「大事な人を護る力と・・・強大な魔物も殺せる力・・・考えた結果だ。」 「まぁ、私アコライト長いからアドバイスするわよ」 「じゃあ修行しに行くか。」 「うん。」 FIN あとがきみたいなもの 前回の続きです。やっぱりやりたいとこまではやってしまいました。 エログロ+ラブコメってのは・・・どうなんでしょうか?(笑) 今回主観がコロコロ入れ替わるので読みにくいかも知れません・・・OTZ 設定補足 アルフレッド・・・アサシン・12歳→18歳・髪は長い(商人デフォヘアー)・悪魔HBとタバコ装備 次回があればモンクになってるはず・・・ セレスティア・・・アコライト・10歳→16歳・金髪ロング(WIZデフォヘアー)・丸い帽子装備 前より後を初体験(笑)DEX支援志望らしい・普段気が抜けてるけど頭の回転は早そう セピア・・・アコライト・15歳・金髪ショート(ノビデフォヘアー)・ハット装備 殴り型・・・次回あるなら目隠し追加かな・・・視力低下とかで ネリッサ・・・アコライト・14歳・黒髪ロング・ビレタ装備 ギロチンで南無 ローズ・・・プリ−スト・20歳・赤髪ショート・聖職者帽とサングラス装備 ゴブ仮面とかのほうがいいのかなぁ・・・ メイソン・・・40〜50くらいの中年(笑)