私はいつも通り地下室で薬品を作る 各種データを取り、メモをしていく 「こんなものかな・・・」 メモを置き、階段をあがる 廊下にでて部屋への階段を昇り始めたとき ドアをノックする音が聞こえた 部屋への階段は玄関のすぐ近く、だからすぐ聞こえる 「こんなところに客人か・・・?珍しいな・・・」 そんな事を呟きながらドアまで歩き 片手は腰の短剣の柄をつかませておく もう片方の手でドアを開ける ドアの外には一人の少女が居た 「何の用だ?」 どうやってもこの口調は治せそうに無い 「あ・・あの・・・イスカさんって・・・あなた・・ですか?」 「・・・そうだが・・・」 何だ・・・、ずいぶんと気の弱い訪問者だな・・・ 「あ・・あの・・お手紙・・・・あなたへ・・って」 「手紙・・・?誰から?」 「いえ・・私も詳しくは・・・」 「そうか・・・わかった。ありがと」 私は手紙を受け取り、少女が視界から消え去った後に手紙を読んでみた 「・・・・・・・・」 何の事は無い、ただの呼び出しだ 果たし状みたいなものだ 「最近退屈してたところだ・・行ってやるか・・・」 そう言って私は愛用の剣、投擲用の短剣、その他各種薬品を持って出かけた 待ち合わせ(?)場所には数人の男 「さて・・誰が呼び出したのかな?」 「全員さ、覚えてるだろ?」 ・・・どこかで見た顔ではあるが・・・ 「さぁ?あいにく如何でも良い事は覚えて無くてな」 男たちの顔が変わった、明らかに怒っている 「あぁそうだ・・・思い出した」 私はそのとき少しだけ思い出した 「全員、一回殴り飛ばした覚えがあるな、名前は全然覚えてないが」 「く・・忘れてるのなら全部綺麗にわすれてやがれ!!!」 一番前に居たウィザードの男が叫んだ 「俺はもう我慢できん!!殺るぞ!!!!」 何人か居る男の内一人が言った 剣を構えて突っ込んでくる 「・・・・」 私はすかさず腰のベルトに挿している投擲用の短剣を投げつける 投げた後すぐに剣に持ち替えて、走り出す 「くっ・・・」 男が短剣を弾き飛ばすが遅い 「・・・はぁっ!!!」 私の剣が男を捕らえる 男の首が飛んだ、無様なくらい簡単に 「・・・次・・・」 剣を男たちの方に突きつけて言った 少しだけ、思い出した こいつら全員、以前私に告白してきた者達ではないか・・? 「そうか・・・・、振られた腹いせか・・・」 ポツリとつぶやくと 「そうだよ!!テメェが悪いんだ!!」 やれやれ・・完全な逆恨みでは無いか・・・ どうでもいい、早く終わらせて帰る 「ふん、お前の相手はこいつだ」 男達は手に古木の枝を持っている それらが一斉に折られて、数匹の魔物が出てきた 「・・・・ふん」 私はカートから素早くボトルを取り出すとそれを投げた ボトルの割れた場所からはフローラが生え 「喰え」 私が放った一言でフローラは動き始めた 近づいてくるものに食いつき、食いちぎっていく いくつかの魔物は半分、もしくはそれ以下の塊になっていった 食いちぎられた魔物の残った体からは内臓と血が流れ出ている 「もう終わりか?」 私も抜けてきた魔物を切り裂き、ある程度処分してから言った 男達は無言で枝をまた取り出し 「懲りないな・・・」 また折った、今度はさっきより多く 「ち・・・・」 カートからさっきとは違うボトルを取り出す 投げつけたそれは割れたところから球体が出てくる 「砕け散れ!!」 出てきた球体を割っていく、この球体<マリンスフィア>は割れる時に爆発を引き起こす だからこそ敵が多いときに使用する 更にマリンスフィアを作り出し魔物の集まっている場所へと投げつけ、割る 「く・・・」 数が多い、次々と折っているのか際限なく沸いてくる 「・・あっ」 ボトルが手元で割れた、目の前にマリンスフィアが出現する 魔物の数匹が迫ってくる、急いで後方に下がるが 魔物がスフィアを攻撃した瞬間、それは割れて攻撃した魔物はもちろん私も巻き込まれた 後方へと下がっていたおかげか、致命傷と言える傷は無い・・・が 「ぐ・・・」 とっさに急所や顔面を庇った腕が折れた 足も数箇所折れたらしい、動く事はできない 「く・・・・・・」 魔物が迫る、殺されると思った 二人の姉も魔物に殺されたっけ・・・ 今度は私の番・・・か・・・ 「もうそんな状態じゃ動けないよな」 男たちの笑い声が聞こえる 「まぁ、簡単には殺さないからさ」 「何?どういうことだ」 痛みに耐えながらも問う 「すぐにわかる」 「なんだと・・・つぁっ!!??」 折れた腕に魔物が噛み付く 鋭い牙が突き立てられ皮膚を裂いていく 「や・・やめろ・・・ぐ・・・あぁ!!」 「殺さないように加減はさせてあるけどな」 「き・・貴様ら・・・何故・・・魔物を操れる・・・・」 通常、古木の枝で呼び出した魔物は本能のまま攻撃するのみ だが、こいつらはそれを操っている 「はっ、改良したのさ。いや・・改良させたのさ」 「な・・・ぐぅ・・・」 爪が立てられる ところどころ引き裂かれ、服もボロボロになっていく 「な・・・何をする気だ・・・」 「すぐにわかるって言ったろ」 男たちのリーダーらしき男が魔物に何かを命令する 魔物はすぐに行動を始める 切れ切れになった服を取り払い自らを移動させる 予想はついた・・・ 「魔物に犯られるなんて、良いもんだろ?」 男の声が聞こえた次の瞬間には私の中に魔物の一部が入ってきた 「ず・・ぅ・・ぐ・・・あぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 激しい痛み、下半身が痛い 「はっ、思ったとおり処女かよ。ま当然か」 「ぐ・・・ぅ・・・あ・・・く・・・は・・ぁ」 私の口からは痛みに耐える声しか出ない 「どうしたよ、もっと鳴いてみろよ!!!」 男の足が私の腕を蹴る 折れた腕は簡単に形を変えた 「あぁぁぁぁぁっ!!!」 息を全て搾り出すかのような叫び 「はっは、良い声で鳴くじゃねぇか」 男たちの笑い声が聞こえる 同じことが何回も続いた 「はぁ・・・は・・・ぁ・・・は・・・ぁ・・・ぁ」 「そろそろか」 魔物の動きが早くなる 「どうする?リーダー」 「構うな、そのままださせてやれ」 な・・・、ふざけるな・・・ 「や・・・やめ・・・ろ・・・」 「ん〜?聞こえねぇな」 笑い声が酷くとてもいらつく・・だが何も出来ない 魔物が吼えた 私の中に熱い液体が注がれていく 「あ・・・・・・あぁ・・・」 そして・・初めて・・・ 「ん?何だこいつ、泣いてるぜ」 生まれて初めて涙を流した 姉が死んだ時も涙なんて出なかったのに 「う・・うぅ・・・」 今すぐ帰りたい・・・ こんなところから・・・逃げ出したい・・・ 「泣いてる暇なんてねぇぞ、こいつら全員の相手するんだからな」 魔物は消え、残ったのは男たちだけ そしてそれは、儚い願いが消えた証 男達は私を嬲り始めた 魔物と同じように私を犯すもの 傷つけるもの、傷を深めるもの 何時間が経ったのかはわからない 長い間犯された故に快楽は感じる 傷つけられすぎた体は動きもしない 感覚すらない 「は・・・は・・・そらイクぞ!!」 男の動きが早くなる 「やっ・・・あ・・・あぁぁぁっ!!!」 何度目だろう・・・何人もの男の精を受けた 数なんてわからない ココロハ・・・モウ・・・コワレテ・・・・・ 一人の少女の周りに男たちが立っていた 「どうする?コイツ」 「壊れちまったな。良い女だったのに」 少女はピクリとも動かない、息はしている 口元には笑みが浮んでいるが瞳に光は宿っていない つまり完全に「壊れて」いる状態 「放っておけ、そのうち死ぬだろう。心が壊れた者が生きられるはずも無い」 リーダーらしき男がそう言って立ち去ると、他の男もそれに続いた 「・・・・ねえ・・・・さん・・・・・・・・・・」 壊れた少女の口から漏れた小さな言葉 壊れた少女の目から流れた一筋の涙に気づく者はいなかった