私はイスカと言う、職業はアルケミストだ。 今は一人で材料の採取中。 誰か知り合いでも一人連れて来ればよかった後悔した。 だが、他の皆は今日は用事があり、私一人。 いつも一緒に材料集めを手伝ってくれる姉はもういない。 数十日ほど前、ピラミッド3階で魔物に食われた。 それ以来はずっと一人だ。 一番上の姉は教会で仕事をしている。 狩をしているといつも視線を感じる。 アルケミストの服は露出が高く、割と注目されてしまう。 性格柄もあり、そう言った視線は痛い。 今日もまた見知らぬ騎士に声をかけられる。 相手にするつもりなどもちろん無い。 何度断っても言い寄ってくる男にはウンザリだ。 その時は言葉の代わりに拳で答える。 言っておくが私は頭がいいほうではない。 つまり戦闘型だ。 更にいうなれば斧より剣派 殴られた拍子に男はペコから落ちて顔面から地面に着地する 格好悪いものだ。 殴られた男は怒りの声を上げて顔を上げるが 私は顔を上げた男の喉元に持っていた海東剣を突きつける。 もちろん過剰精錬している。 男は硬直して刃を見ている。 私は更に黙って消えるかこの場で死ぬかの選択権を与えてやる。 男は慌てて逃げ帰って、私はまた材料集めに戻る。 「コレぐらいか・・。今日はもう帰るか。」 カートから蝶の羽を取り出して空に放る。 次の瞬間には私はプロンテラの東カプラ付近に立っていた。 私は街中で不要な収集品等を売り、必要なものだけ手元にのこす。 そして、私が「家」として使っている小屋まで行く。 元々は誰かいたかもしれないが私が見つけた頃には廃墟だった。 私はソレを改装し、必要なものを全て揃えて今ではここが私の「家」だ。 家に入り、地下室の実験室に行く。 実験室というのは名ばかりで実際はここではポーションを作る程度しかしていない。 今日集めた収集品でプラントボトルと赤ポーションを複数個作る。 成功率は7割程度。 「まぁ・・・、こんな物だな」 私は自分をそう納得させて、『食料』の確認をする 保存庫の中のものは大分数を減らし、僅かしか残っていない。 「さすがに尽きてきたか・・・。まだ数日は持つが・・・」 私はある程度考えると 「・・・久しぶりに『狩り』に行くか・・・」 口元をすこしだけ歪ませて、特別に作った剣とプラントボトルを数個。 あとは以前作っておいたアシッドボトルも持ちカートに詰める 夜になるのを待ち、ソレまでは武器の確認とこれからのことについて考えた。 日も暮れてあたりが闇に包まれた頃。 「では、行くか。」 そうして私は『狩り』に出かけた。 目的地はプロンテラ さすがにこの時間、出歩くものなどあまりいない。 それでも構わずに歩いていると 後ろから声が聞こえて 「待て!!そこのアルケミ!!!」 私を呼びとめたのは昼間のあの無様な騎士だった。 「誰だ?どこかであったかな?」 私はわざとらしくとぼけてやった 「白々しい真似するんじゃねぇ!!!」 やれやれ・・・冗談が通じない男だ。 「昼間の借りを返しに来た」 「それはそれはどうもご丁寧に。まぁ、要らぬ物だが」 厄介事は避けたいし、何より相手にするのが面倒だ。 「そうは行かない。」 別の方から別の声が聞こえた ウィザード・・・こっちは女か・・・。 声の主をざっと見て 「・・・ふむ・・・」 「どうした?謝る気になったか?」 「あぁ、それは無い。」 何故謝る必要がある。 私は降りかかった火の粉を振り払っただけだ。 それで、謝れなどと・・・見当違いもいいところだ。 「・・・」 私は踵を返して歩く 「逃げるのか?」 すぐに後ろから騎士の声が聞こえる 「逃げる?何故逃げる必要がある?ここでは戦うのに不都合があるというもの」 戦うならソレ相応の場所で。 「ついて来い、ソレ相応の場所に連れて行ってやろう」 私が先頭を歩くようにして、家の近くまで戻る 「ここか・・・?誰かの家のようだが・・・」 「私の家だ。」 「何でお前の家の近くなんだよ。」 「気にするな、個人的な用件だ。」 私はそう言うとカートから武器を取り出す。 対人特化に作られた武器 +8 トリプル ブラッティ サーベル これを作るのにかなり苦労したのを覚えている。 だが私の大事な『狩り』の道具だ。 さらに数本の短剣を腰のベルト部分に刺しておく 「女だろうと容赦はしねぇぞ」 「ならば、あの時は油断してあのような事になったわけか?」 騎士の顔が赤くなるのが暗闇でもわかった。 わかりやすい奴だ。 まぁ良い、『狩り』の手間が省けた。 「はぁ!!!」 騎士が斬りかかってくる、私は持っているバックラーでソレを軽く払う。 この程度しか力が無いとは・・・。 騎士の攻撃をかわしていると、魔法の気配がする。 ふむ・・悪くない連携だが 私は魔法の発動する寸前消える。 目標を失った魔法は発動しない。 「ハイドか」 ウィザードの女が呟いて、サイトを唱える。 その行動などすでに予測済み。 むしろ唱えてくれた方が私にとっては有利というもの。 現れると同時に私は騎士の後ろをとりそのまま首を落とす。 冗談と思えるくらい血が噴き出して2.3度痙攣し騎士は地面に落ちた ペコペコは驚いたのかその場から逃げていった。 「悪いけど・・男に用はないから。」 私はき捨てるように言って、ウィザードの方を見る。 女は泣いて、首の無くなった騎士の名前を呼んでいる。 恋人同士か・・・?。 泣かずともすぐに会わせてやると言うのに。 女はコチラをキッっと睨み すぐに術の詠唱を始める。 セイフティウォールも張っているため安全だと思ったのだろうか。 それでサイトも使っていれば倒せたかも知れないな。 女が使ったのは古の雷を呼び出すロードオブヴァーミリオンという大魔法。 目がくらむほどの光が私を中心に落ちてくる。 光がやんだあとには何も無くて、女は私を殺したものだと思い。 ウォールを出て騎士に駆け寄る。 だが 「残念、そこまで」 私は女の背後から剣を突き刺す。 殺さぬように、苦痛だけを与えるように。 女は叫び声を上げて穴の開いた肩を抑える。 女の表情は困惑している様子だった 「自分で言ったこと忘れたのか?」 私はハイドでロードオブヴァーミリオンを避けていたのだ。 女はそれに気づくとすぐにまた詠唱を始めようとする 私はすぐに剣を女の喉へ突き刺す。 「残念、惜しかったがそこまでだ。」 女が口で「何故」と言う。 「あなたなら良い『食料』になりそうだから」 私はベルトに刺していた短剣数本とカートから爪状の武器をとりだした。 狂気じみた笑いを浮かべ私は女を『食料』にするため『解体』に取り掛かる 衣服を切り取り、手足を切り動けないようにする。 あとは短剣で骨から肉やそのほかを切り取るだけ。 私は慣れた手つきで・・・否実際に慣れているのだ。 今までにこうして『解体』した数は計り知れない。 女が痛々しい悲鳴を上げる、私はそれに小さな快感を見出しながら続ける。 そろそろ・・と思い、立ち上がりカートから取り出した爪状の武器を腕につける モンク等の装備するクロー系列の武器に似ている。 私はソレをつけると、怯えた様子の女の近くに座りなおす。 女は微笑んだままの私を見て恐怖の表情を浮かべていた 「まずは・・・・・・」 私は女の腹に、その武器をつけた腕を突っ込ませる 女から声にならない叫びが発せられる。 私は体内に入れた腕で、引きずり出せるだけ女の内臓を引きずり出した。 出された腕は真っ赤にそまり、指の間にはビクビクと動く腸がある。 私はそれを引きちぎり、空のポーション瓶に入れる。 引きちぎった瞬間女の体がビクッっと痙攣した。 女は涙を流して口から血を流して、何か呟いている。 だが喉をつぶされているため呟きは意味の無い声としか聞こえない。 さ・・止めと行きますか。 血に染まった腕を女の胸部分へと振り下ろして。 心臓を掴み取り、乱暴に引きちぎりながら引きずり出した。 傷口から噴き出した血が私の体へと掛かる。 女はもう死に、目は開いたまま。 引きずり出した鮮血したたる心臓もポーション瓶に入れて。 女の死体をカートにいれ、男の死体は放置。 「コレでまた数日持つだろう・・・。」 私は呟いて家へと入った。 遅い今日の夕飯は、さっき取れたての『食材』ばかり こんなの食べる人なんて私以外いないだろうか・・・。 いてもいいけど・・・、それはそれで楽しい。 あぁ・・もう少ししたらまた『狩り』に出かけないと。 男はダメだ、全体的に硬くて食べられない 食べるならやっぱり女のじゃないと・・・・。 次はどうしようか・・・何を『狩』ろうかふふふ・・・。 狂気じみた笑いを浮かべて夕飯を終えた私は眠りについた。 明日は・・・何を獲物にしてみようかな・・・。 ふふ・・・ふふふふふ・・・・・・・