[!]このSS(ショート・ストーリー)には、性的な表現、残酷な表現が含まれています。 『 Prima donna 』 ダンサーにとっての聖地、コモド中央舞踏館。 ここでは年に4回、コモド歌劇団による公演が約1週間の日程で行われている。 公演でのプリマドンナ(主演女優)に選ばれる事は大変な名誉であり、ダンサー達にとっての大きな夢である。 これは初めてプリマドンナに抜擢された若いダンサーに訪れた悲劇の物語である。 ダンサ子の名前はエメラルド。 彼女は恵まれた肢体と美貌に加え、天性とも言える演技力が認められ17才の誕生日を前にプリマドンナに選ばれた。 彼女の熱演はルーンミッドガルド王国中で話題となり、コモド舞踏館は連日に渡って入場規制が敷かれるほど大盛況となっていた。 今回の夏季公演も今日と明日の2日を残すだけとなった。 「明日は父さんと母さんが私の踊りを見に来る。」 「私がダンサーになる事を反対した父さんに認めてもらう為にも頑張らなくちゃ!」 ぐぎゅぅうぅ〜 「うぅ、お腹が痛い・・・ストレスかなぁ?」 彼女は一昨日あたりから原因不明の腹痛に悩まされていた。だが、そんな事で主役が休むわけには行かない。 ダンサ子は腹痛を押して舞台に立つ。今日が自身にとって最後の舞台になってしまう事を知らずに。 公演がクライマックスに差し掛かった時に異変は起きた。 「うっ!?・・・げぼっ」 舞台の中央を舞っていた彼女が突然、吐血しペタリと座り込んでしまった。観衆がざわつき始める。 「お、おなかが・・? はぁ、はぁ・・・がはぁっ、げほぉっ!!」 ビチャビチャぁっ ダンサ子が吐血した血溜まり中に親指程度の大きさの生物が蠢(うごめ)いている。 体は小さいが鋭い歯を持つ凶暴で醜悪な魔物、ペスト(の子供)だ。 「なんで、こんな・・・げほげほっ」 彼女はその大きな瞳から涙をこぼし、血に濡れた手で口を押さえているが吐血は止まらない。 苦しむ彼女の前に血溜まりは広がっていく。その中にペストは十数匹。 単体でも凶暴なこの魔物は、集団となると中級程度の腕前の冒険者なら一方的に殺してしまう程に凶暴性を増す。 ダンサ子の体内から吐き出され、自由を得たペスト達は彼女の両腕と両足に飛びついた。 「いやぁあっっ!・・・ぎゃぁぁぁっ」 ミチミチブチギチぃ ダンサ子のしなやかな筋肉が無残にも喰いちぎられていく。 彼女は両手でペストを払い除け必死に抵抗していたが、それも虚しく3分足らずで骨が見えはじめた。 ブシュゥゥ 手足の大動脈が喰いちぎられ、止め処なく大量の血が流れ出した。 大腿部の筋肉や腱を切断された為に、座っている事すら困難な状態に陥ったダンサ子は血溜まりの上に倒れ込んだ。 「ひっ、ひぎぃぃっ・・・たすけっ、助けてぇぇぇえっ!!」 ダンサ子の助けを求める悲痛な声が舞踏館に響く。 しかし、観客の中に手錬の冒険者はおらず、また警備員も巻き添えになるのを恐れてか、誰もダンサ子を助ける事が出来なかった。 「・・・あぐっ、あぐうぅぅ」 程なくして両腕の筋肉や腱も切断され、ダンサ子はいわゆるダルマになった。 魔物達は彼女が抵抗できなくなったと見ると、攻撃の目標を下腹部に変えた。 邪魔なビキニを引きちぎり、薄く生え揃ったダンサ子の陰毛をかき分け外陰部を喰い荒らす。 あるペストは陰唇を喰いちぎり、あるペストは鋭い歯で陰核をズタズタにした。 「あgyぎぃぁぁああっっ!」 体の中で最も敏感な部分を魔物に蹂躙され、彼女は発狂せんばかりに悶え苦しんでいた。 バチャバチャ 血溜まりの中をのたうち回ったダンサ子は素肌が真っ赤に染められていった。 「た・す・・・け・・・・・」 大量失血によって朦朧とする意識の中、彼女は必死に助けを求めていた。だが、それは虚しいものだった。 観衆の殆どがパニックに陥り、われ先に舞踏館から逃げ出していたからだ。 (もう死ぬのかな?私。どうしてこんな事になったんだろう・・・父さんと母さんに舞台を見せたかったなぁ・・・) 仰向けの状態で殆ど動かなくなったダンサ子の股間に何匹ものペストが群がっているのが見える。 その内の数匹が彼女の膣の中に無理矢理侵入して行く。また別のペストは彼女のヘソの辺りを穿孔し内部に侵入していく。 グチグチビチッ ダンサ子の内臓が喰い荒らされている音が観客席にも聞こえて来る。 彼女の体がビクンビクンと痙攣を始め、ペストが腹に開けた穴からは黄色の体液が滲み出ていた。 「・・・ぐぇっ・・・」 ダンサ子は大きく目を見開き、血の混じったあぶくを吐くと、ピクリとも動かなくなった。 ブチブチッ 喰い破られて大きく開いた腹部の穴から無数のペストが這い出てくる。 やがて彼女は魔物達によって上半身もボロボロに喰い尽くされ、見るも無残な姿を晒していた。 既にダンサ子の目に光は無く、酷く虚ろな表情で天井を見つめていた。 稀代の踊り子が観衆の前で醜悪な魔物に喰われる・・・なんて素敵なショーなのかしら。 ―ここは観客席の最後列― 「・・・うふふっ、いい気味だわ。」 「少し才能があるからって、調子に乗りすぎた天罰よw」 お察しの通り、私は彼女のせいでプリマドンナに選ばれなかったダンサーの一人。 そして彼女のお弁当にペストの卵を入れたのは私。 「さ〜て、そろそろ魔法師団が来る頃かしら?」/クスクス 数分後、コモド地方の魔法師団が舞踏館に到着し騒ぎの収拾に当たった。 彼らはダンサ子を食い尽くしたペストが町に逃げ出す事を懸念し、彼女諸共FW(ファイアーウォール)で焼き払う作戦に出た。 十数名の魔道師が重ね掛けした炎の障壁は強力でダンサ子とペストは跡形も無く始末された。 翌日、何も知らずに舞踏館に到着したダンサ子の両親は前日の出来事を聞き、遺品として残されたイヤリングを前に泣き崩れたという。            Prima donna もとい、ダンサ子の受難 −FIN−