アマツ城上層、死しても尚軍務に服そうとする兵士が彷徨い続けるこの場所に3人の声が響く 「やっぱ危ないって〜・・・鉄砲持ってるって言うし・・・帰ろうよ〜」 気乗りしないまま無理矢理連れて来られたのか、暗殺者らしくない口調で♀アサシンが不安そうに言う。 まだレベルが低く、飛び道具を上手く避けれない上に体力の少ない彼女が 銃を使うような敵を相手取る事に不安を抱くのはごく当たり前であった。 「そうそう・・・それに沢山出てきたらどうするのさぁ・・・ 大体なんでBSの私までこんなところまで来なきゃなんないの」 ・・・やはり無理矢理連れて来られたのか、♀BSが同じように文句を言う 「だからアタシがついてきてるんでしょ、1発や2発当ったてもヒールで済むし、 沢山出てきてもニューマあるから大丈夫だってば、2人とも心配性だなぁ・・・ それにここの兵士、やったらめったら鉄を落とすからBSにとっちゃ悪くないでしょ?」 そして2人を半ば無理矢理連れて来た張本人であろう♀プリーストが答える。 BS「まぁ鉄が出るのは良いけどさ・・・」 アサ「う〜・・・」 2人はどう文句言っても仕方ないと諦めたのか、話題を変えて適当に話しながら奥へと進んでいった。 パァン!バスッ! ある程度進んだところで、突然銃声が響きアサの足元の畳に穴が開き、イグサが飛び散った 「いた!あそこだ!」 先頭を歩いていたアサシンが早速銃弾を放った兵士を見つけ、周りに敵がいない事を確かめその方向に走る。 「ソニックブローッ!」 装填に時間が掛かり、すぐに次の弾を撃つことができない兵士に対しアサは容赦なく攻撃を叩き込む 装填中に襲われたその兵士はなす術もなくアサの8連撃を受け怯んで銃を落とした。 銃を拾おうとする兵に対し、すぐさまBSが攻撃を加える。 ガシャァン BSの追撃に兵士はあっけなく崩れ落ちた。プリーストの言うとおり鉄のカタマリを落としていた 「ぉー鉄だ鉄だ」 さっきまでの不満はどこに行ったのか、嬉々として鉄を拾い上げ、カートにしまいこむBS。 「なんだ・・・支援するまでもないじゃない。危ないって言うけどこれなら大丈夫よ」 プリーストがアサシンを促がす。 「ん・・・うん」 案外あっさり片付いたことでアサシンが頷く。そうして3人はより奥へと進んでいった。 その後も途中で敵に会うことはあったが、特に問題はなく、被弾することもあったが どれもかする程度のもので、プリーストのヒールで簡単に治るものだった。 自信が不安を押しのけて、快調に奥へ奥へと進み、敵を倒していく3人だったが 自信のあまり、用心を忘れてしまっていた・・・ 「今のはちょっとキツかったねー」 プリーストが苦笑いしながら歩いていく。今までより多い数の兵に囲まれ随分と体力を削られていた。 それでも気楽に進んでいく彼女にアサシンが心配そうに訊く。 「大分当ってたし・・・ヒールとかも殆ど私達に使っちゃって・・・少し休んだ方が・・・」 確かにヒールや支援で大分精神力を使ってしまったがプリーストからしてみれば そう大した問題でもないと思ったのか、やはり彼女は楽観的に答える。 「だーいじょうぶだってぇ。プリーストは簡単に精神力切れたりしないように訓練されてて・・・」 ビシュン 「?」 妙な音がした。その瞬間何がどうなったのか、3人は理解できなかった。 その妙な音がした一瞬後に遅れて銃声が響いた そして止まっていた時が突然動き出すようにプリーストの身体が後ろに倒れる。 「え・・・あ・・・?」 突然の出来事にキョトンとするアサシン。何が起きたのか未だ全く理解できずにいた。 そんな彼女よりも先に事態に気づいたのはBSであった。 「〜ちゃん!ちょ・・・大丈夫!? ねぇ!しっかりして!」 倒れたプリーストの側に駆け寄りプリーストの身体を揺する。しかしプリーストは呼び掛けに反応せず ただ2,3度身体を痙攣させるだけだった。ふと見ると額にポッカリ穴が開いていて、一筋、血が流れていた。 「い・・・いやあぁぁぁあっ!」 何が起こったのか、やっと理解したアサシンが悲鳴を上げプリーストの身体に駆け寄る。 「〜ちゃん!〜ちゃん!あぁぁ・・・何で!何でえぇえ!」 プリーストの名前を呼び、泣きながら何度も何度も身体を揺するが、瞳孔が開いたまま、 プリーストの身体が動くことは無かった。そして、このとき2人はパニックに陥って大事な事を忘れていた。 ビシッ 「うあぁぁぁっ!」 アサシンの脚に弾が命中した。そのまま倒れ脚を押さえて悲鳴を上げる。 「うあぁぁ・・・助けて・・・助けてぇっ!」 恐怖と痛みから錯乱し、叫ぶアサシン。アサシンの脚からは血が流れ出て、畳を染めていく。 そして、BSがどこか安全な場所に身を隠そうとしたその時だった。 バスッ 「か・・・は・・・・ぁ」 放たれた弾はBSの胸に命中した。肺に命中したらしくBSはうつ伏せになり苦しそうに呼吸するだけだ。 BSの隣ではアサシンが泣きながら助けを求めている。が、BSに仲間を助ける余裕などあるはずが無かった。 そのうちに、また次の弾がアサシンの身体に命中した。 「ひ・・・あぁぁぁあ・・・・えっく・・・・たすけ・・・」 アサシンが助けを求め続ける中、次の弾はBSに命中した・・・だがBSが特に反応することなく 既に動かなくなっていた。そして・・・ バスッ 「う・・・ぇあぁぁ・・・だれ・・・かぁ・・・」 ビスッ 「ぁ・・・・ぅ」 ・ ・・ ・・・ それからアサシンが動かなくなるまで、そう時間は掛からなかった。