【この番組は人間語とオーク語の二種族語放送でお送りしています】 「おぉ、てめえら喜びやがれ。ニンゲンのオスが罠にかかってやがったぜ。  おい!まだバラすんじゃねえ!!  ったく・・・殺るのと食うことしか頭にねえバカどもがっ。  バラして食うのはこいつで楽しんでからよ!  お、目を覚ましやがったか。おい、動けねえように押えつけとけよ。よし、そうだ。  それから・・・おい、お前。お前だ!兜をよこしな。  あぁん?てめえのお粗末な頭に載っかってるその御立派な兜だよっ、さっさとしねえか!!  おっし。あとはこのネズミどもを兜の内に入れて・・・  よっとぉ!  こうやってニンゲンの腹の上に被せて置くってわけだ。  へへへ、慌てるんじゃねえ。これからがお楽しみの本番よ。  おい、ちゃんと押えつけておけよ!  さ〜てと、こんな具合に兜の上から松明の火であぶってやるのよ。  火であぶられたネズミどもは大慌てで逃げ出そうとするわなぁ。  だが周りは固い兜で食い破れねぇ。それじゃ連中はどうするよ?    お、始まった始まったぁ!  やっぱり若いオスはいい声で鳴きやがるぜ。  腹をネズミに食い破られるニンゲンの声ってのは、  斧で手足をぶった斬るときの声とは一味違ってオツなもんだろ、えぇ?  あのマヌケ面を見てみろよっ。  お、声が細く高くなりやがった。ありゃーな、ネズミが胸のほうに潜りこんだのよ。  見ろよ。叫び声に合わせて口から血が飛び散って綺麗じゃねぇか。  おほっ!!こいつぁおもしれえ!!口からネズミの尻尾が見え隠れしてるぜぇ、おい!?  おーおーおーおー。必死で口をパクパクさせてよぅ。  お高くとまったニンゲン様もこうなっちまっちゃあ死にかけの魚と変わらねぇなぁ!ぎゃはは!!  お・・・静かになったな、くたばったか?まぁよく頑張ったほうだったわ。  よぅ〜し、てめえら。  こいつのハラワタに火も通ったことだ。  充分に楽しめたところでメインディッシュといこうじゃねーか!    おいっ!てめぇ一人でモツばっかり食ってんじぇねえ!!  脳ミソは俺のもんだって言っただろ!手ぇ出すんじゃねぇこのバカが!!   ・   ・   ・  お〜おぅ、食った食ったぁ。  よく笑い、よく食う!  こんな平和で健康的な暮らしができるのもニンゲン様のおかげってもんよぅ!」