男ほど単純で馬鹿な生き物はいない。 ボクはそう思っている。 ボクはアコライトなのだけど他の子とはちょっと違った。 このご時世、冒険を安全にこなすにはそれなりの装備や人材が必要だけど結構、男だと相手にされない事が多い。 と、言うよりもこのミッドガッツ王国の冒険者達は意外とスケベな男や百合趣味な女性、男装を好む者などが 多いのである。(お話の中でだけですっ実際はみんなマトモ!・・・だと思っています) そう、そしてそんなボクもまた・・・ ボクは女の子のアコライトの姿をしていて、丁度狩りに行くのに便利そうな集団を見つけては声をかけて出かける。 「うほ、良いアコたん」 「俺達と一緒にどこかいい所案内してやろうか?」 「なぁなぁ?住所とか連絡先教えてくれる?」 ボクは良く人から“女の子みたいな顔をしている”と言われているけど、女装を始めてからまさかこんなにも 効果があるとは思わなかった。 「じゃぁ、グラストヘイムでも行きましょう」 「はいっ?嬢ちゃんあんた冒険者の階級(ゲームで言うところのBLV)いくつなんだ?」 「今は○○なんですよー」 と答えると一同、大きな口をあけて決まってこう言う。 「エターナルアコライト(永遠の修道女)だ・・・」 「スーパーアコライトですかぁ・・・すげぇ」 「あ、でもボクはそんなに精神力とかないしプリーストみたいに出来ること少ないですよ?」 「大丈夫、お座りしていても余裕だからさ」 「ていうより一人称ボク萌え〜」 まぁ、このメンバーならお座りしたままでやっても大丈夫か・・・ 実際に支援は面倒くさいんだよなぁ・・・ まぁ、お座りしてていいって言ってるし何時もみたいに甘えてしまうか。 グラストヘイムの城の二階へさっそく辿り着いたボク達は運悪くバフォメットに出くわしてしまう。 「うぎゃっ」 とPTの騎士があっさりと首を魔王の鎌によって転がり落ちる。 あまりにもの強さに愕然としたPTはもはや戦闘集団として機能しない状態だった。 「あ・・・アコたん、早く支援をっ!!」 PTのアサシンが叫ぶが冗談じゃない。 死ぬのが嫌なボクは彼らを見捨ててテレポートで逃げ帰った。 それから数ヵ月後・・・ 「ふぅ、どうしても最近いい臨時に会わないなぁ」 まぁ、普通はアコライトよりもプリーストの方が需要は高いけど・・・ さすがにあのスリットの深い装束を着たら性別がばれる可能性が高いからなぁ・・・ などと考えつつ道を歩いていたら何かにぶつかってしまった。 そして上を見上げたら・・・・・・ 「ぃよぉ」 あの時のアサシンだった・・・ 「お前さんがあの時逃げ出したおかげで仲間がみんな惨殺されてしまったよ」 と、彼は無表情でこう言った。 「・・・いや・・・アレはボクの所為じゃないよ・・・・・・ていうかあんなのアコライトなんかでどうにか なるわけ・・・ふぐっ」 アサシンはボクのお腹を力いっぱい殴った・・・ そしてそのまま裏路地に連れ込まれてしまった。 「・・・わかってるだろうな?」 「・・・・・・あれはボクの所為じゃないし、第一あんたらが見栄張って俺らにまかせてお座りしてって・・・」 と言う途中で右腕と左腕が急に軽くなったような気がした・・・ そしてよく見るとアサシンのカタールに血が付いている・・・ 恐る恐る腕に目をやると・・・ 「・・・ぁ・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」 ないっ、ボクの腕が・・・腕がないっ!! 「俺がお前に怒っている理由はな・・・聖職者たるものが自分優先で仲間を見捨てる行為が許せないわけだ」 ・・・そんな・・・暗殺者・・・が言うよう・・・な・・・ことじゃ・・・ なんか彼の脳内ではアコプリ=死してもなお他者に御奉仕とかそういう偏見があるみたいだ・・・ 「そうだな、身勝手なやつにはお仕置きが必要かもな」 と言いながらアサシンはボクの衣服を剥いだ・・・ 「だめっやめてっ!!」 アサシンはボクの服を剥ぎ取った後、ボクの股間を凝視する。 「てめぇ・・・男だったのか」 見られた・・・ボクの・・・知られた・・・ボクの性別・・・ 「・・・くっくっく、はーっはっはっは。ゲフェン一の美少女と呼ばれていたお前が実は男だったとはな!」 何時の間にそんな称号付いていたんだ・・・と言うより知らない間にボクは有名になっていたのだろうか? 「傑作だ、本当に傑作だ!!こんな可愛い顔と肌、華奢な体をして立派なモノが付いていやがるなんて!!」 アサシンは叫びながらボクのモノをカタールで一瞬にして切り取った。 「ひっあぎゃぁぁぁぅああああああああああっ!!!」 イタイイタイイタイイタイっ ボクの・・・ボクのがぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! そしてアサシンはチャックを下ろし、ボクのがあった場所に無理矢理自分のを押し込んだ。 「ははは、どうだ?これでてめーもちゃんとした正真正銘の女だぞ!!」 と、傷口を突く。 ボクはあまりの痛さと屈辱にただひたすら泣き叫んだ。 すると彼はうるさいと言って心臓を一気に貫いた。 ・・・血しぶきが散った櫻のように舞い、裏路地の闇に消えていく なんでこうなったんだろう?だったらあの時バフォメットにみんな揃って殺されていたほうがマシだったかもしれない。 このアサシンどっか頭おかしいなぁと思いながらいつの間にか眠りに入ってしまった・・・ 二度と起きることのない眠りに・・・