「はぁ・・はぁ・・ っくっ・・・はぁ・・・」 何でこんなことになったんだろう・・皆の前で鷹なんていらないわよ!っていってずっと鷹なしでいたからかな・・ 私は走りながら自分の強がりを後悔していた・  「っ!?」(・・しまった 行き止まり!?・・) くぼ地に逃げ込んだのはいいけど、そこの先にまっていたのは 到底上ることもできなさそうな崖 ザッザッザッギュア・・ 無数の硬いものがすりあわされるような音が迫ってくる。 アルゴス・・・普段は一撃で倒せるような相手。 でも今は違っていた。。罠を忘れ矢も使い果たした彼女にはそれは恐ろしい魔物に思えた。 弓には自信があったんだけど・・ 迫り来る敵の攻撃をかわしながら、恐ろしい速さで敵を倒すようなハンターではなく 余計な動作を一切捨て神経を研ぎ澄まし敵の急所に確実に当てる狩人、それが私だ。 最後の矢を撃った・・一撃で一匹のアルゴスが死んだ。 1〜2匹のアルゴスだったら頑張れば殴り殺せるかもしれない。 でも相手の数は・・ 壁にもたれかかってガクガクと震える私を 半円形に囲む 数十匹のアルゴス  「あ・・貴方たち女の子をこんなふうに追い詰めるなんて趣味悪すぎよ・・」 無論人間の言葉など理解できない巨大な蟲である。 ギュアザッギュアザッギュアギュアッ  「ひっ!?」 最後の覚悟も決める前にアルゴスが襲ってきた・・  「いやだっ 離してよ 死にたくないっ」 私に群がるアルゴスをポコスカと殴りながら泣きながら叫んだ。 プッ・・ アルゴスが毒を注入したんだろうだんだん意識が薄れていく・・・  「・・・・私・・・まだ・・・死に・た・・・く・・・・」 心地よい三途の川で天使ポリンと遊んでるうちにいきなり強烈な吐き気を覚えた  「ぐぇっ・・・ヴぇぇぇぇ ごぷっ 」私は何がなんだからわからなかった・・ 夢だったのか・・そう思ったが違った・・ 視界に広がるのは密林。こんなところには冒険者も足を踏み入れはしないだろう。 何日がたったんだろう私の腕は垢なのか泥なのか解らない汚れが染み付いている。 そして大量の蜘蛛の糸。  「そう・・・こうやっておいてお腹がすいたら 少しずつ食べていくのね・・」 どうせなら三途の川で天使ポリンと遊んでないでそのまま渡っちゃえば良かった もう一度、あんな恐怖を体験することになるなんて・・いやそれよりも酷いことになるだろう・・ 考えてるうちに ふとあることに気がついた。 まず裸であること。これは蜘蛛の粘液で溶けたんだろうとだいたいの察しはついた。 それと、、妊婦のように、いや、それ以上に膨らんだお腹。私はこちらも大体察しがついたが,あたらないことを祈った。  「まさか・・アルゴスに・・卵を産み付けられたのかな・・・あは・・」 男の子としたこともないのにアルゴスに初めてを奪われるなんて・・ まぁ・・私らしいのかな・・  「恋も結婚もする前にお母さんになっちゃいました。。」私は自分を笑うように呟いた そんな声が聞こえたのか 少しお腹の中が答えたような気がした ピリッ・・ぴり・・  「え!?・・ なに?」突然体がぐらっと傾いた どうやら蜘蛛の糸が劣化して 私の体重を支えられなくなったのだろう  「私そんなに おもくないのにー!」 どさっとお腹を守るうに転がりおちる なんてことだ 蜘蛛の子を守ってしまうなんて・・  「いてて・・・はぅ・・あぶなかった・・・」体が自由になったものの足が萎えて思うように動けない、、 喉がかわいた・・カラカラだ・お腹もすいてきた・・密林には食べ物がいっぱいあるなんていったのは誰だ。 見たこともない草と木ばかりで何もないじゃないの・・ そういえば胸がはれている・・少し触ったら母乳がでてきた・・美味しいのかな・・? 指についた自分の母乳をなめようとした矢先に、お腹がビクンっと大きく反応した。  「ハッ・・ハッ・・くぁ・・何・・・? もう・・生まれるの・・?ハッ・・」 私は産み安いように体制をとろうとするが、そんな隙も見せずに一気にお腹の中で一斉にあばれだした。  「っは!?ハッ・・ ひっ!フ?ーひー!!!☆▽×■っ!?」私の秘所ががばっと広がり体液とともに一気にでてきたのは、 グロテスクな小指サイズの大量のアルゴス。。 数分つづいただろうか、段々感覚のなくなった下半身から、最後の一匹がでてきた。 数千はいるのかもしれない・・  「みんな・・私の・・子供・・」 こんな蟲共にも母性本能が働いてしまう・ どうしよう・・・おっぱいあげないと・・ 蜘蛛は自然に私のおっぱいに群がり、なめいてるようにおもえた。 拡がりきってまだ収縮もしてない秘所にも出たりはいったりして遊んでいる。  「ふふっ・・・・この子たちが元気に成長しますように・・」 そんなことを思っていると胸に痛みを覚えた。  「いたっ か・・かんじゃだめぇ・・・」私は 胸を噛んだアルゴスを一匹指でつまみあげて顔の前でメッと言ったが おそらく理解していないだろう・・「なんで・・噛んだりしたのかしら・・」 悩んでいた直後、群がっていた蜘蛛が一斉に私の体を噛み始めた。  「くぁっ!?」突然の痛みに体が仰け反り数十匹のアルゴス踏み潰しそのばに倒れた  「ひぁぁっ な・・んで・・」 私はまだ理解していなかった 孵化すると母体を餌とすることを  「嫌ぁぁぁぁ!!」胸の複数の傷口にアルゴスが頭を突っ込み肉・脂肪を齧り始めている 下半身でも耐え難い痛みがはしった。  「ひっ・・・!?ぎっ あっ・・ギぐュアァァァァっぁあああああああッッッ!」 膣やまだ閉じていない子宮の中にまで入り込んだ蜘蛛が辺りかまわず噛み始めたのである 私は転がりまわりながら痛みに耐えている  「嫌だぁぁぁ こんな・・死に方 したくない 嫌っ嫌ーーーーーーーーぁぁぁ!!」 「あひっ!!!!!!!!!」びくっ!!!!一番敏感な場所にかじりつかれたが、痛みですぐにそんなものは消えてしまった。 もうどこがどう攻められているのかが解らない程に体中に蜘蛛が噛み付き肉を食い漁っている 「だれか・・・ た・・す・・・けてっ・・・・・・・・・・しにた・・くない・・おかぁ・・・さ」 ぐじゃっ・・お腹の皮が食い破られたのだろうか 一気に内臓があふれ出した テカテカして綺麗な色の内臓を、美味しそうに蜘蛛の子たちは食べ始めた。 やがてハンターの少女は息絶えた。 アルゴスの子供たちは少女を存分に食らい段々とおおきくなっていった そう、彼女は子に血肉を与え役目をはたしたのである。アルゴスの母として。 彼女の顔以外全てを食い尽くしたアルゴスはまるで蜘蛛の子を散らすかのようにその場からちらばっていった。 彼女の顔を食べなかった理由は解らない。 もしかしたらそれが母に対する唯一のおもいやりだったのかもしれない。